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マイコプラズマ感染症

令和6年8月22日更新

■ マイコプラズマとは風邪などを起こす細菌の1種

・マイコプラズマは、風邪、肺炎、気管支炎などを引き起こす細菌の一つです。(肺炎になるのは3-10%です)
・幼児期、学童期、青年期にかかることが多く7~8歳頃にピークがあります。従来は4年周期でオリンピックの年に流行を繰り返してきましたが、最近はこの傾向は崩れつつあります。(今年は流行ってますが)

■ 臨床症状(大半は風邪として自然治癒します)

・大半は咳・発熱・咽頭痛・頭痛・倦怠感・嘔吐下痢・腹痛症状などで風邪と区別がつきません。多くの方は軽い風邪として自然に治癒します。発疹を伴うこともあります。
・咳が長引くことがあり、肺炎(マイコプラズマ肺炎)、気管支炎を引き起こす場合があります。

■ マイコプラズマ肺炎・気管支炎----- 肺炎になる確率は3~5%

・マイコプラズマに感染して肺炎になるのは、感染者の3~5%程度です。とくに幼児〜学童は肺炎を起こしやすく、免疫反応が弱いこともあって、何度でも感染する可能性があります。
・肺炎を引き起こした場合、感染後の発熱が持続したり咳が徐々に強くなっていきます。
・咳は発症3~5日後ぐらいから始まり、典型例では痰(たん)を伴わない乾いた咳が続きます。当初は乾性の(乾いた)咳、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続きます(3~4週間)。年長児や青年では、後期には湿性の(湿った)咳となることも多くあります。

◉ マイコプラズマは、主に以下の2種類の作用によって感染が引き起こされ悪化します。
①マイコプラズマが直接体にダメージを与える。
②マイコプラズマに感染した人自身の免疫反応で炎症が誘発され肺炎、気管支炎、髄膜炎などが引き起こされる。

( マイコプラズマには、「活性酸素」という人体にダメージを与える物質を産生して肺や気管支の組織を傷害する作用があります。さらに感染した人自身の免疫反応により、より強い炎症が引き起こされ肺炎などになることがあります。)

■ 感染経路や潜伏期 ( 濃厚接触 )

◉ 身近な人との濃厚な接触で感染を引き起こしやすいと考えられています。(飛沫と接触で感染しますが、より濃厚な接触が主な原因になります。)
・そのため学校などでの短時間での接触による感染拡大の可能性はそれほど高くありません。
・家族間や友人間での身近での濃厚接触による感染拡大が多いとされています。
◉ 感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされています。

■ 治療と対応

① 必ずしも抗生物質は必要ではありません。

マイコプラズマ感染症は基本的に自然治癒する疾患です。マイコプラズマ感染に伴う咳などの諸症状は長引くこともありますが、基本的に自然に治癒しますので、基本的な対症療法や水分栄養補給と休養が重要です。


② 抗生剤について
マクロライド系抗生物質(クラリス/クラリシッド、ジスロマックなど)が有効とされていましたが、近年マクロライド系の抗生物質は効きにくくなっておりニューキノロン(オゼックス)、テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン) を使用することもあります。

③ 対応
学校などで流行した場合、第三種学校伝染病(手足口病などと同じ)の扱いとなりますので、急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良い方は登園登校可能になります。

・一般の細菌は細胞膜と細胞壁の2種類で体が囲まれていますが、マイコプラズマは細胞壁を欠き、細胞膜のみで囲まれています。この構造の違いにより細胞壁合成阻害剤であるペニシリン系(サワシリン,ワイドシリン)やセファロスポリン系の抗生剤(メイアクト,フロモックス)は効果がありません。

((注意))ミノマイシンは8歳未満のお子さんが服用すると歯芽を黄色く変色させ、永久歯に黄色い線が入ってしまうことがありますので、原則使用しません。

<予約受付時間>
● 午前08時30分〜11時30分
● 午後16時00分〜17時45分
( 日・祝・木・土曜午後は休診です。)

■ 休診のご案内

  • *土曜日は午前中のみ診察です

■ ア ク セ ス ■

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*当院には駐車場はありません。