A : 今までのインフルエンザワクチン(注射)

① 対象年齢 : 6ヶ月〜
② 接種回数 : 2回(12歳以上1回)
③ 接種方法 : 皮下接種
④ 接種不可 : 発熱や体調不良以外は特になし
⑤ 有効期間 : およそ5-6ヶ月
⑥ 副反応 : 接種部位の局所反応程度
⑦ 値段 : 2回で7000〜8000円(医院による)

A 従来型インフル説明書&予診表

B. 噴霧経鼻ワクチン(フルミスト)

(以下は2025年10月現在。新しく導入されたワクチンのため今後は変更されることがあります。)

◉フルミストの主なメリットは

①鼻への薬液噴霧のため痛くない
②1回で済む
③有効期間が長い(受験生などには特にメリット)
④効果が従来のワクチンより良い可能性がある。

B : 新しい鼻腔噴霧型(フルミスト)

① 対象年齢 : 2歳〜18歳
② 接種回数 : 1回
③ 接種方法 : 両鼻噴霧(生ワクチン)
④ 接種不可 : ゼラチンアレルギー,ひどい喘息,妊婦etc.
⑤ 有効期間 : 約1年(受験生には良いかもしれません)
⑥ 副反応 : 接種数日〜1週間後の発熱,咳,鼻水などの風邪症状(30%〜50%)
⑦ 値段 : 8000〜10000円(医院による)

B フルミスト説明書&予診表


● フルミストの接種不適当者(接種禁忌)

以下の方は従来の注射でのワクチン接種を推薦します。
◉ 日本の添付文書での『禁忌(接種不適当者)』
①発熱している方。
②重篤な急性疾患にかかっている方。
③過去に本剤の成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方。
④明らかな免疫不全や免疫抑制治療を受けている方。
⑤妊娠している方。
*その他以下の方
① 妊娠可能性のある方(接種前約1か月間の避妊と、接種後約2か月間の妊娠回避が必要)
② 授乳中の方
③ ギラン・バレー症候群の既往がある方や、喘息以外の慢性疾患(心臓病、腎臓病など)をお持ちの方

◉アレルギーに関しては卵やゼラチンに対する重篤なアレルギー(アナフィラキシーやショックなど)が禁忌となります。

◉喘息に関しては、『重度の喘息』や『(現在)喘鳴の症状を呈する者』が接種要注意者になります。この場合は従来の注射ワクチンを推奨されます。

◉米国など他地域の添付文書は

Q&A

Q. 接種後の副反応は?

A.軽いかぜ症状(鼻水鼻詰まり>せき>喉の痛み>頭痛)、微熱やダルさを感じることもありますが数日で改善します。
稀にアナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こすことはありますが、他の一般的な予防接種でも同じことが言えます

Q. 接種後のワクチンウイルスの排出は?

A.
⚫︎フルミストは生ワクチンのため接種後、数日間から1~2週間くらい鼻から弱毒化されたワクチンウイルスが排出される可能性があります。

⚫︎このワクチンウイルスは弱毒化されているだけでなく、(肺など)体内の温度の高い部位では増えにくい特徴もあります。

⚫︎そのため、妊婦さんやお年寄りの方であってもこの排出されたワクチンウイルスがうつる確率は極めて低く、うつったとしても重いインフルエンザのような症状を引き起こす可能性も極めて低いとされます。また保育施設を対象とした研究でも、ワクチンを接種していない他の子供へうつる確率は極めて低く症状も生じなかったと報告されています。

🔴 ただし『重度の免疫不全』(骨髄移植の直後で免疫が極端に低下している方や免疫不全の病気の方など)の方がいらっしゃる場合はリスクを避けるため、接種後1~2週間は密接な接触を避ける必要があります。
また新生児〜乳児がいる場合も授乳中など接触にも配慮が必要です。

Q. フルミストと他のワクチンとの接種間隔は?

A. 生ワクチンを含む他のワクチンとの接種間隔も特に決まりはありません。また同時接種も問題ありません。
(日本の添付文書では“間隔の規定はない”となっていますので間隔は気にしなくてもかまいません。ただ、海外では4週間あける基準もあり、接種する医師によって対応が異なる場合もあります)

Q. 抗インフルエンザ薬服用後のフルミスト接種は?

A.フルミストはワクチンウイルスが増えることで免疫を作ります。一方で抗インフルエンザ薬は、そのインフルエンザウイルスが増えるのを抑える薬です。したがって薬が体内に残っていると、ワクチンウイルスの増殖まで抑え込んでしまって、効果を減少させてしまう可能性があります。そのため抗インフルエンザを服用した時は一定期間空けた後にフルミストを接種するのが望ましいと考えられます。(接種を急ぐ場合は従来の注射で接種して下さい)

< 参考 >
オセルタミビル(タミフル):最後の服用から48時間空ける
ザナミビル(リレンザ):最後の吸入から48時間空ける
ペラミビル(ラピアクタ):最後の点滴から5日空ける
バロキサビル(ゾフルーザ):最後の服用から17日空ける」
ラニナミビル(イナビル): 記載なし(48時間〜2週間)空ける?

Q.フルミスト接種後にインフルエンザに罹患したら?

A. フルミストを打った後、少なくとも2週間は、できれば抗インフルエンザ薬の使用は配慮が必要です。(ワクチンの効果が弱められる可能性があるので)
ただし治療が優先ですので、もしフルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用した場合は、先ほど言ったように『ワクチンの効果が不十分だった可能性』を考えて、その治療が終わった後に、注射で再接種(打ち直し)を検討することになります。(まあインフルエンザにかかった時点でインフルエンザの抗体があるとも言えますが)

◉フルミストの主なメリットは

①鼻への薬液噴霧のため痛くない
②1回で済む
③有効期間が長い(受験生などには特にメリット)
④効果が従来のワクチンより良い可能性がある。

❌ フルミストのデメリット

フルミストは生ワクチンのため、接種後の数日〜1週間後に発熱、鼻水、頭痛など風邪の症状が出やすくなります(軽くインフルエンザにかかったような状態) 。他人に感染させる可能性もないわけではないので(ただし極めて稀)家族に妊婦や乳児,免疫の弱い方がいる場合は注意が必要です。またイベントの前の接種も配慮が必要です。

×その他フルミストのデメリット

・従来のワクチン接種2回分より1000〜2000円程度高い。
・卵やゼラチンアレルギーの方は接種に注意が必要
・妊婦や免疫不全、重症の喘息、アスピリン内服中の方の接種不可

■ 休診のご案内

  • *土曜日は午前中のみ診察です

■ 当 院 に つ い て ■

院長柴崎浩一
診療科目小児科、アレルギー科
診療時間【月〜水、金曜日】
*午前 : 9時00分~12時00分
*午後 : 16時30分~18時00分
【土曜日】
*午前 : 9時00分~12時00分

★ 診療の終了時間は、予約状況や
 混雑具合などで変わります。
休診日曜日・祝日・木曜日・土曜午後
ホームページhttps://oyako.crayonsite.net
略歴・京都大学医学部卒業
・大和高田市立病院勤務
・京都大学医学部附属病院勤務
・舞鶴市民病院勤務
・住友病院勤務
駐車場なし

<< 予約受付時間 >>

● 午前 : 08時30分〜11時30分
● 午後 : 16時00分〜17時45分
( 日・祝・木・土曜午後は休診です。)

■ ア ク セ ス ■

大阪府茨木市下穂積1-3-101 ホワイトハウス穂積1F

*当院には駐車場はありません。