・ステロイドでない新しい塗りで2020年頃から使用されています。6ヶ月以上の患児に使用出来ます。
・コレクチム(一般名:デルゴシチニブ)は、「JAK阻害薬」に分類され、過剰な免疫反応を抑えて皮膚症状を改善する薬剤です。(後述のモイゼルトは炎症物質の過剰産生を抑えて皮膚の炎症を抑える薬剤です)
・成人にコレクチム軟膏0.5%、6ヶ月以上の小児にはコレクチム軟膏0.25%を主に使用します。
◉ 最近、乳児期の湿疹をコントロールすることで食物アレルギーやアレルギーマーチの予防に繋がると言われています
① コレクチム(一般名:デルゴシチニブ)軟膏は、ステロイドではない外用薬です。アトピー性皮膚炎に適応があります。
② コレクチム(一般名:デルゴシチニブ)は、「JAK阻害薬」に分類され、過剰な免疫反応を抑えて皮膚症状を改善する薬剤です。
③ 同じ免疫抑制外用薬であるタクロリムス水和物(プロトピック軟膏など)は使用時にヒリヒリ感やそう痒感などがしばしばありますが、コレクチムはそのような刺激感があまりありません。他の副作用も他剤に比べて少なめです。
④ 長期使用における安全性が臨床試験で確認されており、生後6ヵ月から使用可能です。
( 低出生体重児や新生児および6ヵ月未満の乳児を対象とした有効性および安全性を指標とした臨床試験を実施されていませんが、年齢制限はありません。)
① 炎症を抑える効果は、タクロリムス水和物(プロトピック軟膏など)に比して劣ります。
ステロイド4群(ロコイド®)と保湿剤の中間ぐらいの強さと考えられます。
② 炎症を抑える効果は弱めですが、痒みを抑える効果は開始後早めに認められます。
成人および小児〜乳幼児のアトピー性皮膚炎の方を対象とした臨床試験では、コレクチムによってアトピー性皮膚炎の重症度が有意に改善されたことが示されています。日中および夜間のかゆみが有意に抑制されたという結果も得られています。
③ ステロイド外用薬に比べて抗炎症作用は弱く、炎症急性期の沈静化(寛解導入)には不向きだが、炎症抑制状態の維持(寛解維持)に向いています。
① コレクチム軟膏を1日2回、優しく患部に外用します。
成人は [ 0.5%製剤 ] を1日2回塗布。
小児は [ 0.25%製剤 ] を1日2回塗布。
(小児は症状に応じて0.5%製剤の使用可)
② 1回あたりの塗布量は5gまで
塗布範囲が体表面積の30%を超えないようにします。
[ 6ヶ月 〜 2歳 ] : 2g (120g上限)
[ 3 〜 5歳 ] : 3g (180g上限)
[ 6 〜 10歳 ] : 4g (240g上限)
[ 成人 ] : 5g (300g上限)
1日2回塗布する場合、1ヶ月処方量として小児では120~240g、成人では300gが上限になります。
② 塗る時の目安は、「ティシュがくっつく、テカるくらい」です。人差し指の先端から第一関節まで出した量(1FTUと言い、約0.5g)で、手のひら2枚分ぐらいの面積に塗り広げてください。
③ 絞り出した軟膏を指先で小分けにして患部に付け、手のひらで伸ばすようにたっぷり塗り広げると、患部に有効成分が届きやすくなり、軟膏が皮膚を守る役割を果たしてくれます。
<注意点>
・皮膚がジュクジュクしている部分、おできやにきび、皮膚以外の部分(口や鼻の中の粘膜)や外陰部には使用しないように。
・妊娠中や授乳中も使用は可能ですが、なるべく避けた方がいいという意見もあります。
>> 次回はモイゼルト軟膏(ジファミラスト)の予定です
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